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    私が仕事を任された際「すぐやります」と言わない理由【犬の道の回避】

    2021/02/26
    私が仕事を任された際「すぐやります」と言わない理由【犬の道の回避】

    こんにちは、シンヤです!
    今回は私が仕事を任された際「すぐやります」と言わない理由【犬の道の回避】を解説いたします。


    依頼された仕事が「本当に課題解決に繋がるのか?」を分析したいから

    結論からいうと上記になります。
    私は「本当に課題なのか?」から分析いたします。

    具体例

    あくまで架空ですが、以下のような課題が発生していると考えました。

    毎月の売り上げを底上げしたいんだけど、チャーンレート(解約率)がここ1ヶ月で0,4%ずつ増えている。
    このままいくと2%台にまで来ちゃうから、なんとかして欲しい。

    このような要望があったとします。
    私の場合、以下の手順で問題の解決案を考えます。

    1. 顧客の「本当の要望」を言語化する
    2. 「定義した課題が本当に問題なのか」を分析する
    3. 「仮説の言語化」を行う
    4. 「課題の解決案の言語化」を行う
    5. 「MECE」でロジックツリーを作る

    それぞれ詳しく解説いたします。


    1. 顧客の「本当の要望」を言語化する

    要望をよく聞いてみると「毎月の売り上げを底上げしたい」とあります。
    では、チャーンレートが上がっている事が本当に「売り上げ低下に繋がっているか」を分析します。

    • Webサービスを売り出している
    • 毎月定額の「リカーリングレベニュー(繰り延べ収益)」で利益を得ている
    • 有料プラン契約数は3.8%ずつ上がっている

    仮に上記のような分析結果とビジネスモデルだとします。

    この場合チャーンレートの低下は、問題になるのでしょうか?
    結論からいうと、数値にもよりますが「否」であると、私は考えます。

    新規プラン申込数が仮に3.8%ずつ上がっていたら、チャーンレート0.4%で合算すると「3.4%」となります。
    そう考えると、チャーンレートは「誤差の範囲」と捉えることもできます。

    リカーリングレベニュー(繰り延べ収益)の場合、チャーンレートが上がっても毎月一定の収益が入ってきます。
    新規プラン申込数に比べてチャーンレートが大幅に上がっていなければ、それほど問題ではありません。

    つまり整理すると以下のようになります。

    • 顧客が抱いていた課題
      • 毎月のチャーンレートが上がっている
    • 分析した結果
      • 新規プラン契約数は上がっているから、チャーンレートは問題ではなかった
    • 本当の課題
      • 毎月の売り上げを底上げしたい

    つまり「チャーンレートを気にしている」ように見えて、本当の要望は「売り上げを底上げしたい」なのです。

    仮に最初から「チャーンレートの改善」を行っていたとします。
    その場合、顧客の本当の要望に辿り着けず、成果が出ない施策を執り行っていた可能性もあります。


    2. 「定義した課題が本当に問題なのか」を分析する

    上記の例を例えに考えると「売り上げを底上げするのは問題なのか」を分析します。
    以下の要素を整理します。

    • 解決したい課題は何か
    • 本当に今解決する課題なのか

    「解決したい課題」は明確ですね。
    「売り上げを底上げしたい」です。

    では本当に、現時点で「売り上げの底上げをする」のが、問題解決になるのでしょうか?
    これを分析します。

    • 毎月有料会員数は増えている
    • 業績としては赤字
    • 来期までに黒字化を達成したい
    • 資金調達済みではある
    • 事業としてすぐに債務超過に陥ることは考えにくい

    上記のような状況・目標があったとします。
    この場合「売り上げの底上げをする」のは、問題解決になるのか。

    結論からいうと「甲乙付け難い」という感じです。
    なぜならば・・・

    • 赤字ではある
    • しかし債務超過するほどではない
    • 来期までに黒字化は達成したい

    という感じだからです。
    売り上げを上げる必要はあるけど、すぐ対応するか否かという感じです。

    「四象限」で優先順位付けをする

    私は意思決定をする際に、上記のような図をよく使います。
    これは「四象限」といいます。

    対極な状態と比較して、問題解決方法の優先順位付けをしていきます。

    「売り上げを上げる」を四象限で分類すると、私なら上記のように分類すると思います。
    「すぐ対応はしなくていいが、事業貢献性は高い」という感じです。

    メリットデメリットの両方が混在する右下が、一番意思決定が行いにくいです。
    他に優先的に対応する課題がある場合、効率が悪い時間を投下してしまうことになります。

    しかし、熟考して他に課題がないと判断したと仮定します。
    そうしなければ、記事を書けませんので。


    3. 「仮説の言語化」を行う

    問題の定義は完了しました。
    次に「プロダクトの売り上げを上げる仮説」を、可能な限り立てていきます。

    • 新規会員登録獲得
      • 会員登録数は横ばい・もしくは上がっているので順調。
    • チャーンレート改善
      • プラン申込率に比べて、チャーンレートの比率は「11.8%」なので、重大な問題ではない。
    • ⭐️新規プラン申込に至るまでの動線設計の改善⭐️
      • 会員登録後の案内もなく、プラン数も「6個」と多め。
    • キャンペーン施策の改善
      • 実施してまだ1ヶ月しか経ってないので、経過観察が必要。
    • LP(ランディングページ)の改善
      • 「キャンペーン施策の改善」と同文。
    • バナーの改善
      • 「キャンペーン施策の改善」と同文。
    • サービスの提案資料の改善
      • 営業から改善の要望も問題点も現状ない。
    • プロダクトの表示速度の改善
      • 特に問題なし。
    • ⭐️カスタマーサポートのサービス提案方法の改善⭐️
      • 「新規会員登録獲得」以外の対応は少々遅れ気味。

    現状のプロダクトの状況に照らし合わせて、上記のような分析結果を出したとします。
    つまり「売り上げが上がらない原因」は・・・

    1. 会員登録後に「プラン申込」への案内がなく
    2. サポートから「プラン申込」の案内を送る機会も少なく
    3. プラン数が多い

    まとめると「会員登録後にプラン申込の案内がないので、申込の方法と、どのプランを選んだらいいのか、顧客が分からないのではないか?」という仮説が出ました。

    繰り返しになりますが、あくまで「架空の課題に対する、想定しうる仮説」です。 ですが、新規会員登録に注力しすぎると、実際に起こり得ることはあります。


    4. 「課題の解決案の言語化」を行う

    考え出した仮説で、課題の解決案を考えていきます。
    解決案を考える時重要なのが・・・

    • 具体性
    • 即効性
    • 緊急性
    • 実現可能性

    この上記4つだと私は考えています。
    つまり・・・

    1. 具体的な解決方法が提示できて
    2. すぐ実施することができて
    3. すぐ対応した方がいいか考えて
    4. 技術的に実現できる事である

    考え出した解決案の中で、この4つに該当する数が多いものから、優先的に対応していきます。

    解決案を考える

    会員登録後にプラン申込の案内がないので、申込の方法と、どのプランを選んだらいいのか、顧客が分からないのではないか?

    考え出した上記の仮説の解決案を実際に考えていきます。

    • カスタマーサポートの対応方法を変える
    • プランの数を減らす
    • 各プランの説明動画を作る
    • 重要なプランだけ表示し、その他プランは1段階深い階層に配置する
    • 最も選ばれているプランを目立たせる
    • 最も選ばれているプランが、デフォルトで選択されている
    • メール・Push通知にプラン申込の案内を追加する
    • 会員登録後にプラン申込の画面にリダイレクトさせる

    とりあえず思いついた施策の中で、上記4つに照らし合わせて実行するものを決めていきます。

    • ❌カスタマーサポートの対応方法を変える
      • なし。
        他部署を巻き込む為調整が必要、かつ要求が抽象的で、具体的にしても実行難易度が高く、かつ新規登録に注力している現状の戦略性が損なわれる。
    • ❌プランの数を減らす
      • なし。
        現状プランに申し込んでいる顧客への対応、削除に伴うデータの整理と設計、収益への影響度合いなど、影響範囲が大きく技術的要求度も高い。
    • ❌各プランの説明動画を作る
      • なし。
        動画の撮影とディレクション・制作費用と時間を考えると、問題が改善する可能性が未知数な上に制作難易度が高い。
    • 重要なプランだけ表示し、その他プランは1段階深い階層に配置する
      • 次に試す施策として考える。
        フォーカスを絞るという観点では問題が改善する見込みがありそうだが、制作と実装コストがかかる。
    • ⭐️最も選ばれているプランを目立たせる⭐️
      • 実施決定。
        実現難易度も低く、見た目を変えることにより即効性がありそう。
    • ⭐️最も選ばれているプランが、デフォルトで選択されている⭐️
      • 実施決定。
        実現難易度も低く、一番人気のプランがデフォルトで選択されているのは、顧客にとっても工数が一つ減る。
    • ⭐️メール・Push通知にプラン申込の案内を追加する⭐️
      • 実施決定。
        会員登録後のプランへの動線設計が弱いのが課題なので、顧客との接点が高い「メール・Push通知」を改善すれば、問題が解決する見込みが生まれる。
    • ⭐️会員登録後にプラン申込の画面にリダイレクトさせる⭐️
      • 実施決定。
        こちらも会員登録後のプランへの動線設計の強化となる。

    星印が、課題を解決するのに最適な方法だと決定しました。

    プロダクト・実施する施策・考える人によって要件定義のアプローチは様々です。
    より深掘りすることもありますし、あっさりと終わることもあります。

    実行する解決案を考える際、先ほどご紹介いたしました「四象限」を使うと便利です。


    5. 「MECE」でロジックツリーを作る

    MECEとは、

    • Mutually
    • Exclusive
    • Collectively
    • Exhaustive

    の頭文字を取ったもので、直訳すると「漏れなく、ダブりなく」という意味です。
    思考の内容を整理し、お互いを干渉させることなく解決策を洗い出す手法です。

    今回の課題は「売り上げを上げる」です。
    必要な要素を「ロジックツリー」を使い、仮説と解決案のストーリーラインを作っていきます。

    上記のようなロジックツリーを仮に作りました。
    「売り上げを上げたい」という最終目標から、

    • 新規会員を増やす
    • ⭐️プラン申込の動線を最適化する⭐️
    • プランの値段を上げる

    上記3つを思いついたとします。
    このうち「プラン申込の動線を最適化する」が、最も良い施策だと仮定します。

    導き出した施策に対する課題と解決案を洗い出す

    次にプラン申込に関しての課題を洗い出します。

    • プラン選択までたどり着けない
    • プラン選択のボタンが押されない
    • プランの数が多すぎる

    ロジックツリーで表した、赤色の部分です。
    この課題を解決する方法を、以下のように考えました。

    • プラン選択までたどり着けない
      • 会員登録と同時に、プラン画面へ遷移
    • プラン選択のボタンが押されない
      • プラン遷移と同時に、ボタンを選択状態に
    • プランの数が多すぎる
      • プランの数を減らす

    ロジックツリーで表した、青色の部分です。
    これは前述の・・・

    • 仮説の言語化
    • 課題の解決案の言語化

    をまとめ上げて、一本の線として結び付けているのです。
    更に「四象限」を使い、洗い出した問題解決方法に優先順位をつけていきます。

    以下の2つの要素で分析しました。

    • 即効性:すぐ効果が出るか
    • 実現可能性:すぐ実現できるか

    つまり「即効性が高く」「すぐ実現できるもの」が、最も優先的に取り組んだほうがいい施策と考えました。

    • 会員登録と同時に、プラン画面へ遷移
    • プラン遷移と同時に、ボタンを選択状態に

    四象限に照らし合わせ、上記の2つの施策を優先的に取り組んだ方がいいと仮定しました。
    1~5の様な具体的にどんな施策を行うのか決めることを、一般的に「要件定義」といいます。


    「犬の道」を歩んではいけない

    名著「イシューから始めよ」では、思考せず前提の課題を疑わず、手を動かし続けるだけのアウトプットを出すのを「犬の道」と呼んでいます。

    結構鋭く、かつ棘のある言い方だと思います。
    しかし、私個人はかなり「的を射ている例え」だと思います。

    「思考をせず手を動かすのは、人の仕事ではない」と言いたいのだと思います。
    表現方法は是々非々あると思いますが、予々私も同意しております。


    「批判的思考」を持つことが大事

    前提の条件を疑い、あらゆる角度から多角的に分析する視点が大切だと、私は思います。
    これを・・・

    批判的思考(クリティカルシンキング)

    といいます。
    いい意味で情報を鵜呑みにせず「本当にそうなのか?」と自らに問いを投げかけ続けます。

    私は日常的に「批判的思考」を行う癖がついています。
    そのおかげで、やるべきタスクを見極めるのが得意な方だと思います。

    しかしこれはやりすぎると「疑り深い人」「ひねくれ者」と捉えられてしまいます。
    思考法を身に付けるのも大事ですが、同時に表現方法にも注意を払わなければなりません。

    思考法を他者に伝える際の表現方法は、以下の本を参考にすると良いと思います。

    文章で伝える場合

    口頭で伝える場合


    「イシューから始めよ」を読み進めるのが一番早い

    今まで解説いたしました内容は、前述の「イシューから始めよ」に書いてあります。
    私はこの名著に出会い、まず「前提の課題を疑うことの大切さ」を学びました。

    この本をもの凄く端的にまとめると・・・

    • 考えなくがむしゃらに働いても、生産性が高いとはいえない
    • まず「イシューの設定をする事」から始める
    • 良いイシューは「仮説を立てること」から始まる
    • 仮説を立てたら、ロジックツリーで因果と相関を整理する
    • 仮説と課題の分析を進める
    • 仮説と課題を十分に練り込んだら、伝えるものをまとめあげる

    上記になります。
    前提の課題を疑い、イシューの設定から練り込むことが、結果を出す上で最も重要であることを説いています。

    とりあえず、ビジネスを推し進める全ての人は、必ず一度は読み進めるべきだと思います。
    特に「戦略立案」「要件定義」のような、上流の仕事を任される人には必読と言えるべき名著だと思います。

    イシューの設定から練り込まない働き方を、この書籍では以下のように締め括られています。

    プロフェッショナルの世界では、努力は一切評価されない

    結果を生み出さない仕事は、自社やお客様に貴重な時間とお金を無駄させる、大きな罪悪だ

    この厳しさを骨の髄まで叩き込みたいと思っています。
    だからこそ、私は仕事をお願いされても「すぐやります」とは絶対に言わないのです。


    まとめ

    • 私は仕事をお願いされても、絶対に「すぐやります」とは言わない
    • 理由は、お願いされた仕事が「本当に課題解決に繋がるのか」を分析したいから
    • 思考をせずただ手を動かすだけの仕事を「犬の道」と呼ぶ
    • 本当の課題、つまり「イシュー」を見極めるのが大切
    • 「批判的思考」を身につけると、本当に価値がある問いを探す癖がつく
    • 結果を生み出さない仕事は、大きな罪悪となる
    • だからこそ、必ず「イシューの設定」から取り掛かるのが大切

    今回は以上になります。

    • 私が仕事を任された際「すぐやります」と言わない理由【犬の道の回避】