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    【生生流転】酪農家時代の話をします【持続可能な地球の創世と継承】

    2021/03/20
    【生生流転】酪農家時代の話をします【持続可能な地球の創世と継承】

    こんにちは、シンヤです!
    今回は【生生流転】酪農家時代の話をします【持続可能な地球の創世と継承】を解説いたします。

    ※今回明確に生き物の生き死にの描写を言語化しているので、苦手な人は閲覧注意です。


    私の経歴はかなり変わっている

    今の私は、ITベンチャーでデザイナー/PdM(プロダクトマネジメント)の仕事をしています。
    ですがその前は、酪農の仕事を3年ぐらいやっていたことがあります。

    酪農の経験があったわけでも、実家が農家だったわけでもありません。
    純粋な好奇心で就農しました。

    酪農家になったきっかけ

    一言で言えば「漫画に影響されたから」です。
    以下の「百姓貴族」という漫画に影響されました。

    元々私は、荒川弘先生の「鋼の錬金術師」が好きです。

    その延長線上で、同士が書いた「百姓貴族」も読んでみました。
    内容は「銀の匙」よりさらに酪農家らしい日常を描いています。

    当時デザイナー以外の仕事も経験してみたいと思っていました。
    そのタイミングで、酪農と畑作に焦点を当てたこちらの漫画に影響を受けて、就農を決意しました。

    今考えると、相当思い切った決断だと思います。
    普通の思考と神経をしていたら、まず考えないと思います😅

    普通の人がやらない仕事をやってみたかった

    デザイナー以外の仕事をするなら、普通の人がやらない仕事をしたいと考えていました。
    当時脱サラして就農する人は、ほとんどいなかったと思います。

    今であれば、都会から離れて田舎で暮らす「スローライフ」が流行っているので、就農する人も一定数いる気がします。
    ただ酪農は、数ある畜産業でも「きつい部類」だと思うので、おすすめはしません😅


    酪農家の一日

    主に以下の通りのルーティーンかと思います。

    • 5:30~8:00
      • 朝の搾乳
    • 8:00~9:00
      • 餌やり
    • 9:00~10:00
      • 仔牛の世話

    これが朝の仕事で、昼になると・・・

    • 13:00~14:00
      • 育成牛の餌やりと除糞
    • 14:00~15:00
      • 死亡牛の処理(場合による)
    • 15:30~18:00
      • 夕方の搾乳

    上記が通常で、夏になると11:00~13:00に牧草を作るために畑の世話をすることもあります。

    乳搾りを待つ牛たち。

    ちなみに、子供を宿してない牛を「仔牛」、初めて仔牛を宿している牛を「育成牛」と呼びます。
    ので2つは厳密に違う牛として扱われます。

    一般的には酪農家では、以下の名称で牛が呼ばれます。

    • 生まれて乳離するまで
      • 哺育牛
    • 乳離してから妊娠するまで
      • 育成牛
    • 妊娠してから出産するまで
      • 未経産牛
    • 出産を経験した牛
      • 経産牛

    なお、愛着が沸きにくいので今後も哺育牛は「仔牛」と呼称します。

    仔牛
    指が乳房と似ているせいか、差し出すと舐めまわします。
    未経産牛
    お腹に仔牛を宿しており、出産まで大事に育てられる。

    余談ですが、耳についている番号を「耳標(じひょう)」といいます。
    牛を区別するために付けますが、いつの間にか外れていることも多いです。

    外れた場合は、また新しく耳標をつけます。
    同じ場所につけるので痛がることは基本的にありません。


    様々な乳用牛達

    一般的に牛乳を出す牛を「乳用牛(乳牛)」といいます。
    一口に「乳用牛」と言っても、種類は多岐に渡ります。

    ホルスタイン種
    一般的に日本でよく飼われている乳用牛です。

    日本で飼われている99&の乳用牛が「ホルスタイン種」です(出典:一般社団法人中央酪農会議)。
    体と乳房が大きく、より大量の牛乳を生成できるからだと言われています。

    日本人の乳製品の消費は「飲料」が多いと言われています。
    故に、日本では「ホルスタイン種」の需要が高いと言われています。

    ジャージー種
    主にニュージーランドで生産されている牛です。

    ホルスタイン種についで、2番目に多く生産されている牛です。

    ホルスタイン種に比べると乳量は少なめです。
    ですが乳脂肪が多く、乳はバターやチーズなどの乳製品に加工される傾向にあります。

    数は少ないですが、自社内牧場で乳製品を加工する場合、ジャージー種を飼う農家さんもあるそうです。
    その他ホルスタイン種の乳と混ぜて、乳脂肪の調整に使われることもあります。

    このような感じで、様々な品種を混ぜて飼う方法もあります。

    ニュージーランドは人口が少なく、かつ国土が広いです。
    牛乳は自分たちで消費するより、乳製品として加工して売る傾向が強い為、乳脂肪が多いジャージー種が好まれるそうです。

    ブラウンスイス種
    スイスが原産でチーズに適したミルクを出します。

    原産はスイスですが、アメリカで乳用牛として品種改良された牛です。
    日本ではほとんど見かけることはないと思います。

    近年乳脂肪が多いことから、乳製品の加工に向いているのが評価されて、飼育頭数は増えているそうです。


    就農して最初に仔牛の助産をした話

    就農(最初に農家に就職した日)に、幸運なことに仔牛の助産の手伝いをしました。
    助産とは文字通り、仔牛が生まれてくる手伝いをする作業です。

    今だから思いますけど、就農初日に仔牛の助産をさせるのも結構すごいことですよね😅
    何しろ牛という枠組みを超えて、生命の誕生の瞬間を目の当たりにするのですから。

    その際助産した仔牛の写真は撮り忘れてしまいました。
    代わりに別の助産したばかりの仔牛の写真を発見しましたので、以下に掲載いたします。

    生まれたての仔牛です😊
    周りにまだ「羊水」がついています。

    生まれたばかりの仔牛は、まず羊水を吐き出して呼吸をします。
    母牛が身体の周りについた羊水を舐めながら、立ち上がります。

    運良くその際の映像が動画として残っていたので、以下に掲載いたします。

    仔牛の羊水を、親牛が舐めて取り除いています。
    餌を食べる仔牛

    餌をあげる前に、親牛から最初に出す乳「初乳」を飲ませます。
    初乳には仔牛に必要な栄養が豊富に含まれています。


    難産や死産も多い

    すぽんと仔牛が生まれてくれば良いです。
    ですが実際は、難産の場合も多いです。

    特に多かったのが「逆子」です。
    手足が逆向きな状態で生まれてくる仔牛のことです。

    この状態で生まれてくると、羊水を吐き出すことができず呼吸困難で死に至ります。
    その為、専用の助産用の機械で無理やり幼体を引き出し、人工呼吸を試みます。

    運が良ければ、そのまま呼吸して一命を取り留めます。
    ですが運が悪ければ、取り出した仔牛は心肺停止となり「死ぬ」のです。

    その他にも、北海道は寒いので牛舎でも-20℃になる日もあります。
    運悪くそのような寒い日に生まれてしまう子もいます。

    その子はどうなってしまうのでしょうか?
    想像に硬くないと思いますが「凍死」していることもあります。

    理想的には、四六時中見回ったり床暖房をつけるのが良いでしょう。
    しかし、畜産は「商売」なので、費用対効果に合わない投資を行うことはできないのです。


    乳用牛として働けない牛の末路

    牛も人間と同じ「哺乳類」です。
    当然子供を産み続けなければ、お乳は出ません。

    子供が産めなくなったり、お乳が出なくなった牛はどうなるでしょう?
    答えは「廃用」として処理され、業者さんに引き取られます。

    廃用にされる牛。

    廃用とは平たく言うと「殺処分」のことです。
    廃用にされた牛は、

    • 肉骨粉となり田畑の肥料になり
    • 革製品となり靴やバッグとなり
    • 動物園にいる肉食獣達の餌となり
    • 研究材料となり牛を助ける薬の礎になる

    と伺ったことがあります。
    牛が例え亡くなったとしても、無駄になるものなんて一つもないのです。

    話が脱線してしまいますが、畜産がなくなってしまえば、スラリー(俗に言う糞尿)や肉骨粉がなくなり、有機農法の野菜も食べられなくなります。
    果たしてそれでいいのか、私個人としては疑問に思っています。


    最初に助産した牛を廃用にせざるを得なかった話

    ここから先は、少し悲しい話をしないといけません。

    無事就農してから生まれた仔牛は、その後正常に受胎し未経産牛となりました。
    順調に育っていけば、そのまま仔牛を産み乳用牛となる予定でした。

    通常仔牛は、生後1年半程で人工授精をします。
    無事受精をしていたら、生後2年半で仔牛を産み、乳牛としてデビューします。

    ちょうど私が最初に助産した牛が2年経ち、仔牛も未経産牛となり順調に育っていました。
    「いよいよ半年で乳牛デビューか」と思っていました。

    ところが、牛が足首を捻挫して動けなくなりました。
    捻挫をしてしまうと歩けなくなります。

    歩けなくなると、当然餌を食べることができません。
    餌を食べることができなくなると、お腹の中の子供に栄養を届けることができません。

    するとどうなるか。
    中の仔牛が「死亡」してしまいます。

    「死亡してしまった仔牛」を出してしまった牛は、牛乳を出すことができません。
    牛乳を出せなくなった牛は、上記でお伝えした通り「廃用」にせざるを得ません。

    平たく言うと、自分の手で最初に助産した牛を「廃用」にしたのです。
    これほど胸が痛くなった記憶はありません。

    その仔牛は思い入れがとても強かったので、印象に残っています。
    早く乳牛としてデビューするのが楽しみで仕方なかったでした。

    畜産の世界は、文字通り「弱肉強食」「生きるか死ぬか」です。
    経営に貢献しない牛は「廃用」として処理して、肉牛として売るしかありません。


    堕胎した仔牛の胎児を見た話

    一度だけ朝起きたら堕胎した仔牛の死骸を見たことがあります。
    あの姿は今で忘れられません。

    例えてしまうなら、本当に「エイリアン」のような形をしていました。
    言葉は悪いですが、見るもおぞましいという気持ちになりました。

    おそらく牛に蹴られたか、どこかの角にお腹をぶつけたんだと思います。
    こうなってしまっては、もう助けることもできません。

    堕胎した仔牛を産んだ親牛も廃用にする

    堕胎したとしても、一応は出産はしています。
    しかし、初乳が出ないので当然牛乳は出ません。

    牛乳が出ない牛の末路は上記で言っている通りです。
    「廃用」にするしかないのです。

    「もう一度受精させる」という望みも、万に一つはあるかもしれません。
    しかし、通常の牛でさえ発情期でないと妊娠の可能性は限りなく低い上、堕胎してしまった胎盤から次正常な牛が生まれる保証はありません。


    歩けなくなった牛は「薬殺」せざるをえない

    薬殺とは文字通り、牛の首の動脈に消毒液を注入して「殺害」する事です。

    乳用牛として役目を終えた牛は「廃用」として処理され、業者さんが引き取ってくれます。
    しかし、歩けない牛は業者さんは引き取ってはくれません。

    暴れるから牛のトラックに載せることができないのです。
    その為、業者さんが運びやすいように自分たちの手で「薬殺」するのです。

    その後業者さんが適切な場所で適切に処理してくれます。
    職業柄、死亡した牛や自分で薬殺した牛を何度も見てきました。

    通常薬殺した牛は、2~3日後に業者さんが引き取ってくれます。
    その間牛は、カラスに突かれて餌にされてしまいます。


    牛の一生は人間で例えると、20代後半が平均的

    人間の寿命は「85~90年」と言われています。
    対して牛の寿命は「18~22年」と言われています。

    しかし乳用牛のほとんどは、約「6~7年」で役目を終えます。
    人間で言えば、常に妊娠させられて母乳を出されている状態なのです。

    そのため、牛の身体には負担が計り知れないほどかかります。
    常に子供を産まされ母乳を出される人生を歩むので、寿命が極端に短いのです。

    ちょうど人間に換算すると「20代後半~30代前半」が平均的だと思われます。
    それだけ牛は一瞬一瞬のうちに、多くの栄養を身体から絞り出すのです。


    殺める命もあれば、育む命もある

    ここまで「殺めること」ばかり書きました。
    しかし逆に、牛の死は「命を育むこと」もします。

    冒頭でも少し触れました、以下の要素がそれです。
    牛の死骸は・・・

    • 肉骨粉となり田畑の肥料になり
    • 革製品となり靴やバッグとなり
    • 動物園にいる肉食獣達の餌となり
    • 研究材料となり牛を助ける薬の礎になる
    野菜の肥料に使われる肉骨粉
    See page for author, Public domain, via Wikimedia Commons

    私は常々思うのですが、この世に無駄な命などないと思うのです。

    畜産がなければ、畑作はできなくなる

    昨今肉を全く食べない「ヴィーガン」という生き方を選ぶ人もいます。
    それ自体は人の生き方なので、否定するつもりはありません。

    ですが、畜産が生み出す「糞尿」「肉骨粉」がなければ、有機農法の野菜は食べられません。
    これは地球が生まれてきて数億年、ずっと続いてきた「命の輪」だと思います。

    命は繋ぎ繋がれ、次の命を育みます。
    生き物の糞尿が「穀物」を産み、その穀物が「肉」を産みます。


    万物は「生生流転」を繰り返して成り立っている

    ここまでの話を総合すると、上記になると思います。
    私はこの世界は「生生流転」を繰り返して成り立っていると思います。

    アダム・スミスが解いた経済学の著書「国富論」には、経済の流れには「神の見えざる手」があると説いています。
    それと近いことが、命の輪を育む「第一次産業」にもあるのではないでしょうか?

    死を「犠牲」と捉えるか「流転」と捉えるか

    結局動物の死を嫌い肉を食べない「ヴィーガン」との違いは上記だと思います。
    彼らは動物の死を「ただの死骸」と捉えているのでしょう。

    ですが私は、動物の死は次の命を育む「流転の一部」と捉えています。
    だから肉も野菜も食べるし、全ての生きとし生けるものに感謝しています。


    持続可能な地球の創世

    これからの大人の責務は「持続可能な地球の創世」ではないでしょうか?
    例を挙げると・・・

    • うまく活用できなかったスラリーが海や川を汚す
    • 暖かくなた海水が南極の氷を溶かす
    • いずれ枯渇する石油燃料への脱却
    • 森林の伐採や破壊の阻止

    これらを防止し、持続可能な地球を創世する事が急務だと考えています。

    環境改善のために畜産を無くそうとするのは早計すぎる

    先ほども言いましたが、家畜が出す「糞尿」「肉骨粉」は、有機農法の野菜の栄養源です。
    畜産がなくなれば、健康的な野菜が食べられなくなるのです。

    地球環境改善のために、畜産を無くそうとする運動は、早計ではないかと私は思います。


    未来の子供達に生きる土壌を継承するのが、大人の責務

    これらの環境問題を踏まえ、未来の子供達に「普通に生きれる地球」を残すのが、大人の責務と私は考えます。
    そのために畜産業も、様々な課題を解決しようとしてきました。

    例を挙げると、今まで無計画に撒き散らしてきたスラリー(糞尿)が環境悪化の一因となっていました。
    それを水分と菌を無くし、粉状にして床材にしようとする動きがあります。

    乳用牛は乳房にバイ菌が入らないために、オカクズなどの床材を使います。
    それを、糞尿を固めたもので代用しようという働きがあるのです。

    技術的にはまだ実験段階ですが、いずれ一般普及する日も来るかもしれません。
    元々我々が普段使っているものも、実験を経て一般へ普及していきました。

    ある人はヴィーガンは「動物が良ければ、他の人間はどうなっても構わない人種だ」と謳う人もいます。
    そこまで過激な人は少ないでしょうが、少なからずそのような思想の人はいるでしょう。

    柵の中とはいえ、自由に動物たちは生きている。
    その動物たちは、もしかしたら幸せに生きているかもしれないし、動物によっては大事に育てられて人間に感謝しているかもしれない。

    とりあえず私は、全人類「生生流転」の言葉の意味を深く胸に刻み込むべきだと思っています。
    今回は以上になります。

    • 【生生流転】酪農家時代の話をします【持続可能な地球の創世と継承】

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